笠間の窯人 #3 佐藤一正さんのコトとかーっ

だいぶん前、アーティストと呼ばれる方とお仕事をする機会があったんですね。打ち合わせでうかがった部屋の壁は本棚で、そこにはぐわーーって、本やらCDやら何やらわからぬ紙ものまでがぐりぐりと詰めこまれていました。

中央にある結構大きめのテーブルにも本やCDや色んな資料、それに書きかけの原稿らペン、個人的な郵便物などなどなどが山盛りになっていました。それを囲んでわいわいやっていたんです。
話の流れでいくつかの紙資料を広げなくちゃいけないけどどうしたらいいのかっ、て思った矢先、彼女はそのテーブルの上をガーッて。両腕でガーッてしたんです。平然とガーッて。もちろんのっていたものは滝のように床に移動して、それはそれでちょっと気持ちいいな、と思ってしまったのですが、ああ、こんなんなれないなぁって。で、彼女は平然として、表情ひとつ変えずにその作業を完遂したのです。

ああ、ホントにいるんだこういう人、と放心するしかできませんでしたが、その一瞬で片付いたんですよね、資料を広げるスペースがない問題。やり方はどうあれ誰も傷つかずに解決できたのスゲーなと。

わたしも机の上は散らかし派なんですが、急に広いスペースがいるからってもちろんこんなことはできません。忙しい時にはキレイにしますよ。それより仕事進めようよ、という心の声を聞きこえないふりをしながら!

さてこれまで、前回の『陶人形いの』の井上卓さんに引き続き、『柊・土工房』の猪本拓さん。今回の『佐陶工房』の佐藤一正さんそれぞれの工房へおじゃましていまいりました。そしてそのお三方の仕事場がどうなっていたか!

うん皆キレイなんです。道具も素材もきっちり整頓されていて。作家さん、というか陶芸家さんというと皆、最初の例のような傾向の方たちばかりと思っていたし、ドラマなんかで描写されていた「仕上がりが気に入らーん!」がしゃーんって感じで、それらの瓦礫の中でお仕事してるんだろうなぁと、テレビの影響をもろに受けていたことをちと反省。

ということで、彼らのお仕事や人柄などなどのいろいろについては、こちらを読んでいただけると嬉しいです!
『笠間の窯人』第一回の「不羈の人 井上卓さん」に続き、第二回、「余韻の人 猪本拓さん」。そして今回の「自制の人 佐藤一正さん」。以降は毎月1日の更新を予定しています。そしてそれらを執筆する小島英一さんの『瀬戸屋になる』もぜひぜひっ!!

陶炎祭などイベントでも作家さんとはお会いできますが、イベント中はなにかと慌ただしく、ゆっくりお話するのも難しいと思います。加えて同じ笠間の窯人(陶芸家)小島英一さんだから聞けたお話なんかもあると思います。実際、なにやら専門的だったりただの世間話だったりの会話を、お忙しい中の何時間かをいただいてしてまいりました。

さてさて今月の更新「自制の人 佐藤一正」をお楽しみください。という事で昨日原稿をもらってバタバタと15日にすべりこめました。

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